NY is My Name.

NY日記。未公開映画、Netflix、シナリオ...

2020年の個人的映画

 

2020年の新作映画の個人的トップを書きたい

2020年にみた映画の本数は、コロナの影響もあり、148本と少なめ。

そのうち、新作映画(劇場、配信)の本数はたったの40本。

したがって、いつものトップ10を選ぶとなると、全然好きじゃない映画も入ってきてしまうので、というかトップ5でも無理なので、今年はまさかの1本だけを選んでおく。

 

その一本とは、

 

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これである。『鵞鳥湖の夜』。

 

さびれた街並に光輝くネオンというアンバランスな場所で、気怠い、人生を諦めたような男女が出会う...。こういう「夜の映画」は個人的に大好きである。

撮影なども凝っていて、映画好きの心響く。

というか、作ってる人も映画、好きなんだろうなーっていう。そういうメタ的な視点でも作れているというかね。

 

とにかく、一年を通して「よかったなー」と印象に残っていると言えばこの映画くらい。

 

あとあげるとしたら『ミッドサマー』(この映画観たの2020年ってマジ?って感じなんだが。もっと前の気がして)とか、『1917』とか、『ブックスマート』かな。

 

ま、今年はしょうがない。

 

旧作で印象のこってるのは『Miss Violence』(マジヤバイ)、『アンダーユアベッド』(マジつらい)『アノマリサ』『火口のふたり』(マジエロい)、『ニーナのすベて』とかこのへんかな。

 

個人的なことを振り返っておくと、拙作『Mutual Understanding』がめでたく2つ目の映画祭、広島こわい映画祭に入選するなど(2月にオンライン開催になりました)。

また6月に『わたしが神んなる前の話』という新作中編を撮り、こちらも2020年内に完成させることができ。2021年はひたする映画祭に応募しようと思う。いい結果が出るといいが。

2021年はできれば中編1本、短編1本くらい撮れればいいかなという感じ。とにかく、撮り続けることが大事だ。

 

ま、こんな感じかな。

 

 

 

 

2019年 映画トップ5

2019年は185本の映画を観た。

 

例年通り、10本選ぼうと思ったのだが、いざ選ぼうとよかったものに印をつけていくと10本もなかったので、いっそのこと今年は5本だけにしたいと思う。

 

自分でガッツリ作るようになると、自ずと人の作品に対する目も厳しくなると思う。なんというか「自分にできるかどうか」が基準になるみたいな。「まぁこれくらいなら撮れそう」とか「これくらいならおれも考えれそう」っていうのだと、自ずと評価は低くなる。一方で「新しい組み合わせ」とか「いままでやられて来なかったもの」に対しては以前より、一層敏感になったというか、ハッキリそういうものしか評価できなくなったというか。作り手は常にそこを目指すべきだからな。

 

というわけで私の2019年の新作映画トップ5以下の通り。

 

5.愛がなんだ

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『(500)日のサマー』と並んで「恋愛の全て」を描いてしまった感ある。『500日』より一個低次?の、あそこまで美しくはないが、だがたしかに存在する世界をつぶさに描いたというかね。

2つのカップルの話が上手く対比になってて、有機的に絡み合う構成とかも「うんまっ!」って唸らされたし。近年、邦画になかった脚本の良さを感じた。

 

こういうのが出てくると、描きにくくなるんだよな...。全部「これ"愛がなんだ"だよね」って言われそうで。

 

4.クライマックス

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「これ、どうやって撮ってる(演出してるの?)」の連続。そういう「撮り方の想像がつかない」点で、すごいなと。少なくともいまの自分では絶対できないことをしているというか。ノエ氏は常にそういうフロンティアを開こうとしているところを尊敬する。

 

3.マリッジ・ストーリー

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まぁ、一方でこれは正攻法の気持ち良さというか。

実力のある監督が実力のある俳優と作り上げた感。オーセンティックというかね。

 

2.ジョーカー

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「みんながやりたい」ような際どさを持った話をきっちりと仕立てあげ、そしてそれをきちんとマスに受け入れもらって興行的にも成功させてしまった点で、ロールモデルとして。

 

1.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

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正直『デスプルーフ』以降のタラ作品があまり好きでなかった自分的には「おれたちのタラis back」な作品。

その世界に浸り、キャラクターと一緒に時間を過ごす幸せよ。

 

あとは、10月に行ったLAとNYの、主に2つのホラー系映画祭で観た映画の中でヤラれたものをいくつかあげとく。

 

Pain and Glory

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→アルモドバルの新作。監督の自伝的内容なのだが、特に少年時代の思い出パートの美しさに惹かれた。

わりと「なんでもない」こじまんりとした感じも好みだった。

 

Swallow

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→ブルックリンのホラーフェスで。金持ち男と結婚した女性の主人公。一見、幸せそうな生活に見えるが、女はどこかその生活に違和感を感じている。そんなとき、女性は人知れず"異物を飲み込む"ことで自我を保とうとする。石、砂に始まり、クギや電池まで...なかなか衝撃的な一本。

ヨーロッパ的アプローチで、ニートな画面構成で異常な心理を描くっていう。私好みな秀作であった。

 

Kokodi Kokoda

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→これはなかなかにぶっ飛ばされた一本。

幼い子どもを亡くし、関係の冷め切った夫婦がある日キャンプに出かける。その場所で夫は、「嫁がある変態集団に殺される」というループに見舞われる(嫁が殺され、自分も殺された直後にまた目を覚ますと、殺される直前に時間が戻っていて、またその集団に襲われる、というシステム)。そこで、夫は妻が殺されないようになんとか策を練るのだが、やっぱりダメで...、みたいな話。見かけによらず、愛とは、みたいなディープなテーマにちゃんと着地していくとこが良い。

正直、これあんま人に教えたくないんだけどな。自分だけの体験にしたいみたいな。

 

Greener Grass

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極彩色のダーク・シニカル・コメディ。

新しい才能の予感。次回作が楽しみである。

 

あとは2019年の作品ではないもので、旧作で観たものとしては『寝ても覚めても』にはマジでやられた。恋愛映画の皮を被せながら「生きるとは」みたいな深いイイテーマにグイっと持っていくみたいな。クールでした。

NYから帰る直前に観た『Lords of Chaos』も印象深い。てかあれまだ一年前なのか...。NYに一応住んでたっていうのがいまだとちょっと信じがたい感じなのだけど。

 

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最後に、現在の自分の状況はというと、新作を撮り終わって絶賛編集中という状況である。

どう受け入れられるか、そもそも映画祭通るかは未知だが、個人的にはなかなかイイものが撮れたんでないかと思う。素材観ててもそう思う。

とこの作品が自分の状況を少しでも変えてくれて、より良い次回作に繋がってくれればいいのだが。ということを思う2020年の年始である。

映画祭は最高だぜ。

忘れないうちにきりゅう映画祭のことについて書いておきたい。

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このデカいスクリーンで観れたの新鮮。

まず生まれて初めて、自分の作った映画が映画祭という場で上映されたのはマジで光栄なことだった。大学入ってから映画を自分たちで作り初めて、ずっと映画祭というものに参加したいと思っていた。まじで、一つも映画祭で上映されたこともないのに「映画やってます」とか、本当に恥ずかしくて言えないと思ってたし。それなのに映画についてなんやかや言ってる自分もイヤだった。常に「じゃあお前は?って言われたら、おれなんも言えないよな。特に評価された実績もあるわけではないし」っていうのはずっと心の中にあった。

だから今回、そこそこの応募数の中から選考・選抜され、「最終審査」という形で上映されるのは「一応、お前の作ったものは他の人のより優れてたよ」っていうのを明確に示されたわけで、やっと"俎上に乗った"というか。自分が面白いと思ってきたというか、(自分の)映画はこうあるべき、と信じてきたものが他の人にもいいと思ってもらえたのは、大きなことだし、本当に嬉しい。

あと、27歳っていうタイミングも大きい。なんというか、ギリギリ"初めての映画祭"が許される年齢というかw 要は、これより遅かったら、もっと精神的に追い詰められていたかもしれない(実際、最近ちょっとクサり初めてたのも事実w)

ーーー

ほいで話は飛ぶが。

結果的に受賞はならなかったんだが、なんか褒められた記憶しかない映画祭だった。

まず上映後、授賞式までお昼休憩だったのだが、そこで出店(会場の外はお祭りみたいに出店スペースがあってかなり賑わっていた)の列に並んでいたときに声をかけてくれた人がいた。その人は観客賞の投票でも自分の作品に入れてくれたらしく、「途中で映画のジャンルが変わる」ところが面白かったと伝えてくれた。なんかもう、いままでは語学学校とか、自分の友達に見せて感想もらってただけだったので、こうやって見ず知らずの人に自分の作品を観てもらってコメントもらえるってだけで嬉しかった。ちょっと不思議な気持ちにもなった。

で、授賞式で篠原哲雄監督から講評をいただき。

特に演出面、撮影面は優れていると。NYの街の切り取り方、カメラワークを褒めてくれ、そして何より出ている人が全員"素人"ということに驚いたと。役者でない人をここまで演出できるのはすごい、今後に期待、というようなありがたい言葉を頂いた(懇親会でもっと嬉しい言葉もらったけど、ここには書かないでおくわ)。

言われて思ったんだが、そう言えばあんまり素人の映画(普段演技してない人が一応ちゃんと演技してる映画)って自主映画でも実は多い方ではないかもと。常々言っている「アテ書き最強説」が強化されたのに加え、「これくらい当たり前」と思っていたことを改めて指摘されたので、ちょっと新鮮な気持ちにもなったり。

映画祭後の懇親会で、映画祭実行委員会で上映作品の選考した方とも話できたのは大きかった。その方がいうには、「きりゅう映画祭の特色は、"映画好きじゃない"(普段映画をいっぱい観るわけではない)人がやっている映画祭」だと。これは選考委員をディスってるわけじゃなくて、つまり映画をいわゆる「映画好きとかシネフィル」のためのものにしてしまうと、日本の映画界はどんどんとウチに閉じていってしまう、という思いが背景にあるそうだ。

これには「我が意を得たり」だった。というのは、自分も映画を観るのも作るのも、言葉はアレだが「観客のことを考えないヤーツはクソ」という思いが常にあるから。"わかりやすさ"とかも含め。いくら「画がキレイ」でも面白くなければ全部無意味。

ここからなんというか、作者作品に込めるものというのは自分が思ってる以上に伝わるものなんだなぁ、と思った。単純に「やったぜ!」っていうのもある。

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ーーー

だから映画祭を経験して知ったことは、「みんなちゃんと観てくれる」ということ。

("観客"というのを舐めてたのかもしれない。すいません。)

正直、自分の映画なんて理解されないと思っていた。いや、もちろん自分の中では「ここ最高」がいっぱいある作品で大好きだし、「おれはいいもん撮った」っていう自信はあったんだが(自分で自分の作ったものを好きになったのはこの短編が初めて)。一方で他人が見たときには、ラストも含めて「(どうせ)あんまり理解されないだろうなぁ」っていう自信もあったわけである...。

それが、映画祭を通したことで、自分がいいと思ってたことを、意外なほどに観てくれた人も「いい」と思ってくれて、それを伝えてくれたことに驚いた。しかもほとんど一回しか観てないにも関わらず。

なんだみんなちゃんと観てくれるんじゃん、と。

いまさらなんだけど、こんなことなら自分の前作『Lift』ももうちょっと他の映画祭にいっぱい出してみればまた何かしら違ったのになぁと後悔している。周りの反応と、学生映画祭二つ落ちて、完全に心が折れたw 主演の女の子(カンナさん)の演技とか、結構いいのよ。

『Lift』 - YouTube

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だから映画祭を経験したいまの気持ちは、言い方はアレだが「これを褒めてくれる人がちゃんといるなら、俺もっとやるわorやれるわ」という思い。まだまだこんなもんじゃないし、っていうのもあるし。

だから、自分の創作へのモチベーションという観点では、映画祭は完全なプラスになった。

というわけで、今クリエイティブ面ではかなりノッていて、もう次の新しい短編を書いていて、もうすぐ出来上がる。これは絶対いいヤツになる。11月の終わりくらいには撮れればいいんだけど。お楽しみに。また別の新しいやつ書けって言われたらすぐ書ける自信もある。向こう3年で5本くらい作れたら最高なんだが。

 

ほんと、褒められるの大事。俺は褒められて伸びるくんなのだ。

ーーー

というわけで、普通に映画祭何本も通ってる人が見たら「ププっダサっ」って笑われそうな感じのものを書いたのはわかっている。ただ、個人的には大きい出来事だったのね。許して。頑張りたい。

 

あ!12月に映画美学校映画祭で『Mutual Understanding』上映する予定なので、観たい方はぜひ来て頂ければ。東京で上映できるのもう二度とないかもしれないし...

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英会話のコツ 〜ちょっと中級者向け〜

 

英語の会話を楽しくするコツ。あるいは外国人と話すのが楽しくなるコツ。

その一つとしては、相手の言っていることがわからないときはちゃんと聞き返すってことがあると思うのだが、大事なのは、その聞き返し方である。聞き返す際は、「おれがわからないのはおれにわからないように話したお前が悪い」くらいの勢いで聞き返すこと(あくまでも"くらいの勢い"である)。

こうすると、相手の言ったことがちゃんと理解できる上に、「お前の話しがちゃんと聞きたいんだ」という意思も伝わるし、いいことしかない。英語での会話とはいえ、基本は人と人とのコミュニケーションなので、会話に「相互に」コミットしていくことが重要になる。向こうが言ったことがこちらがわからないのは、こちらの英語力不足のせいでもあるし、こちらが外国人と知っていながらわからないように話した向こうのせいでもあるということである。つまり、どちらが悪いということでもない。何が言いたいかというと、聞き返すことはなんら恥ずかしいことでもないし、むしろ相手に自分を印象付けられる便利なことであるということである。

実際面白いことに、こちらが理解できずに聞き返した時に、あんまり嫌な顔をされたことはない。むしろ向こうが申し訳なさそうな顔をするのことが多い(気がする)。

もし嫌な顔をされたとしたら、そいつはただただ性格が悪い。会話する価値もないので全く気にしなくて良い。

 

逆に、わからないのにヘラヘラして流すのが一番だめである。それは、どっちの得にもならない。だいたい話してる方も「あ、こいつわかってないな」っていうのは感じるものである。そうすると、次からはもう「あいつは自分と会話する気がないやつ」として扱われ、友達になれるものもなれずに終わる。語学学校にいても、ほとんどの日本人生徒(というかアジア系全般)はこんな感じで、非常にもったいないことをしているなと。

 

パゾリーニなど

あけおめです。

 

最近は10月に撮った映画の編集が大詰めを迎えていて、ガンバっている。

特定の映画祭のために、もともと23分に落ち着いてたものを20分に削らなきゃいけなかったんだが、削ったら削ったで間延びしてるとこがなくなり、かなりよくなると。ま、そんなもんよね。

音楽も追加して、はじめて自分で自分の作品を本当に「好き」と言えるものが初めて出来た感じ。あとはこれから出す映画祭が各種、通ってくれれば最高なんだけど。

 

というわけであんまり映画は観れていないのだが、パゾリーニ特集を開催中だったMetrographで『カンタベリ物語』を観るなど。パゾリーニって数年前に『ソドムの市』を観たきりだったんだが(ほとんど覚えてない)、もうちょっと洗練された映像の中にお下品が存在してる系の人かと思ったら、お下品の方が強くて、めちゃくちゃ予算のかかったトラッシュフィルムみたいな印象だった。まぁ、「カンタベリ物語」自体がそういうくだらない、オゲレツ感満載な小説らしいのだが。ちんことケツ率多め。しかし出てくる俳優の巨根ぷりには驚いたけどな。平常時で40cmくらいあるレベル。

 

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↑映画の一場面。

あとは、二度目のZola JesusをWild Upというオーケストラグループとのコラボでみるという素敵な経験。

 

あとは、SPA特集にウンザリするなど。SPAとはちょっと関係ないが、最近バラエティで「ブス」で笑い取るのが本当に笑えなくなってきている。笑うよりギョッとする感情が先にきてしまうと言うか。

 

・最近聴いてるヤーツ

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Dilly Dally

 

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今年の映画ベスト10 と行ったライブ

今年観た映画の本数は、家、劇場全部含めて220本。うち劇場で観た新作が134本。

さすがにこっちでMoviePass他、劇場のサブスクサービス使ってることもあり、例年よりはちょっと多め。

 

というわけで、今年劇場で観た映画のTOP10を発表していきたいと思う。

 

10. アイ・フィール・プリティ

9.スパイダーマン スパイダーバース 

8.Upgrade

7.サーチング

6.WHAT KEEPS YOU ALIVE (邦題 デーモン インサイド)

5. Custody (邦題 ジュリアン)

4. THE HOUSE THAT JACK BUILT

3. EIGHT GRADE

2. Bohemian Rhapsody

1.スリー・ビルボード

 

10位の『アイ・フィール・プリティ』はアイディアにやられた。こんなシンプルなのに、こんな面白くできるのか、と。自分に自信がない太っちょのOLが、ジムでのワークアウト中にずっこけて頭を打ってしまうのだが、その衝撃で自分が"すげぇイイ女"だと勘違いするようになる。自信を得て振る舞いも変わった主人公は、仕事も彼氏も、トントン拍子にゲット、人生が超上向きになってくが...みたいな話で、なんてことない話にも思えるが、これが面白い。主人公のエイミー・シューマーの演技力もさることながら、すべては振る舞い次第というか、考え方次第で人生は変えられるのだという至極前向きなメッセージもよいし、一見くだらなく見えるがテーマは本質を突いているというような、それこそ"エンターテイメント"作品に必要な要素を揃えていたというか。ほんと見習いたい作品(まぁラストはちょっと微妙なのだけど)である。

同時に、本作は"女性の美醜"というデリケートなテーマを扱いつつ、「誰も傷つけない」ようにうまいことなってるのだが、いまだに「ブスが〜」みたいな、残念な言葉を使ってアテンションをひこうとして結果的に(かなり予測できた)炎上を招いてる日本のドラマは何周遅れてるのかと、考えさせられてしまうという。

 

とりあえずこの↓予告だけでも見て欲しい。これだけでも最高に笑える。


ぽっちゃり体形のヒロインがキュート!『アイ・フィール・プリティ!』予告編

 

9位の『スパイダーマン スパイダーバース』はとにかくビジュアルにやられる。一つのアートとして一見の価値あり。普段あんまりマーベル作品に興味ない私が推すのだから間違いない。2回観た。

 

8位「Upgrade」はそのルック、バイオレンス諸々が「B級」アクション・SFスリラーとして超合格。ただただ観てて楽しい。基本的にリー・ワネルは信用してる。なんつったってジェームズ・ワン先生と「ソウ」(一作目)を作った男なのだから。

 

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7位「サーチング」は語りが本当にうまい。思わずグイグイ引き込まれる。ミスリードによって騙されたときの「オーマイガー」的な、劇場での観客のリアクションを含めた体験も相まって、個人的な思い入れがある。

 

6位 『What Keeps You Alive』は森のコテージに来たレズカップルの片割れが超サイコパスで、根っからの殺人鬼だったことがわかり、そっから森の中で命をかけた鬼ごっこが始まる...みたいな低予算スリラーなんだが『Upgrade』同様、「シンプルかつ面白いアイディア」と「かっこいいルック」が揃っている。俺はとにかくそういうのが好き。

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5位『Custody(ジュリアン)』は、前半親子の地味なドラマかと思わせといて、後半に割とブルータルなスリラーっぽくなるジャンルチェンジが待っているという。これまた私の趣味。日本では1月下旬に公開するみたいだな。

 

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4位「THE HOUSE THAT JACK BUILT」トリアーが撮ったシリアルキラーもの。いつものようにクレイジーだけど、かなりお茶目さが満載で魅力的。死体がいっぱい出てくる。

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↑奥に積まれてるの全部死体

 

3位 『Eighth Grade』とにかくかわいい。中学生あるある。こういうの作りたい

 

2位 『Bohemian Rhapsody』泣ける。

 

1位 『スリービルボード』 濃厚。2回観た。こういうの作りたい。

 

10個に入りきらなかったけど良かったものも一応書いておくと、

15時17分パリ行き(2回観た)
聖なる鹿殺し
クワイエットプレイス
ヘレディタリー
Three Identical Strangers (邦題「まったく同じ3人の他人」)
Unfriended : Dark Web
mid90s
Green Book
 

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ついでに、今年はNYに来てたくさんライヴを観たので、行ったやつを一通り記しておく。

Alice Glass×Zora Jesus (Williamsburg Music Hall)

Wolf Alice  Alvvays
Tush Sultana  Yeah Yeah Yeahs
Mggie Rogers  Jack White    -  (The Govenors Ball Music Festival)

My Bloody Valentine  (Hammerstine Ballroom)
A beacon School (Baby's All Right)
Charly Bliss (Elsewhere)
Still Corners (Elsewhere)
Oceanator × The Obsessives × Bad Moves (Alphaville)
Alvvays×Hatchie×Snail Mail (Warsaw)
Nothing (Warsaw)
NINE INCH NAILS (Kings Theater)
Christina Aguilera(Radio City Music Hall)
Kate Teague×FADE (Baby's All Right)
Wild Nothing × Men I Trust (Brooklyn Steel)
Sleigh Bells×Courtney Barnett×Tom Morello×Sunflower Bean (Brooklyn Steel, MOM+POP Label Party)
Pixies (Brooklyn Steel)
Pinkie×Claude (Elsewhere)
Nothing 2回目(Knitting Factory)


まずこっち来て初めて行ったブログにも書いたZola Jesusのパフォーマンスにやられ。

6月に一人で(笑)行ったフェス Gov Ball では、中学生の頃から聴いていたYeah Yeah Yeahsを初めて生で観る。カレンO のベテラン然としたパワフルなパフォーマンスはさすがに良かった。そして一人で十いくつの楽器を操るTash Sultanaの多才ぶりに驚嘆するなど。彼女は一度ライブで観ることをおすすめしたい。ギターから初め、次にパーカッション入れたら、キーボードに移り、ハーモニカ吹いてからのトランペットに移り...みたいな一人でどんどんサンプル?を作ってくという。その"落ち着きなさ"に観客も思わず苦笑いしていたのが印象的。

 

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↑これなんかボイパからスタートしてるw

 

Alvvaysは今年2回観たのだが、Warsawでの公演もなかなかよかった。「Archie Marry Me」の合唱も思い出深い。ただ、同じ日に出てたHatchieを、自分の遅刻のためにほぼ見逃した(一曲だけ見れた)は惜しい。

Baby's All right で観たKate Teagueもよかった。曲もいいんだけど、可愛いのな。キーラ・ナイトレイエマ・ワトソンの間みたいな。客ぜんぜんいなかったけど。

 

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そんでなんつってもNothing。ライブ観に行く前から曲はかっこいいと思ってたのだが、生で観るとそのカリスマティックなパフォーマンスにぶっ飛ばされ。もう一気にファンになってしまった(何かについてこんなドハマりするのひさしぶりである)。

ラッキーなことに、大晦日にブルックリンで年越しのライブがあるっつーことで、当然参加。初めてみた時に感じたあのカリスマ性は何かの間違いではなく、ホンモノであったことを再確認したのであった。最前列で首振ったもんね。最高の年越しだった。 

 

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素敵なクリスマス in NY

クリスマスにニューヨークにいるものの、一昨年の旅行でクリスマスっぽいところは一通り回ってしまったので、今年は特にクリスマスっぽいことをすることもなく。

あ、ブライアントパークで初めてアイススケートはした。滑るもなにも、立ってるのがやっとで、ほんと目も当てられないひどい有様だったけど。

 

クリスマスはとにかく映画を観た。

まず12月22日には、ブルックリンのNite Hawk Cinemaで『Black Christmas』(暗闇にベルが鳴る)。

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これが期待していたよりも面白くて。「スラッシャー映画」以前のスラッシャー映画なのだが、クロースアップの使い方、電話のベル音や賛美歌といった音楽の使い方等、細部にこだわりが見える良作であった(これを見てカーペンターはいわゆる「記念日ホラー」の元祖、つまり『ハロウィン』を思いついたとかなんとか)。

これに加えて例のQUAD CINEMAではRated-Xと称した、MPAAからいわゆる「R指定」を食らったカルト作の特集プログラムを開催。クリスマスをエロと血みどろで満たすというなかなか素晴らしい催しなのだが、そこでいくつか作品を観る。


一本めは『スナッフ』。まぁこれがひどいのなんので。ラストの咆哮で爆笑。

二本目は『悪魔のいけにえ2』。これ、自分では観たと思ってたんだが、どんな話か思い出せと言われると全然観た覚えがない。2010年からつけてる映画記録にも記録なし。ただなぜか、「クライマックスの崖」と、兄貴の"頭皮にハンガー"は覚えている...。
で、実際観ると、やっぱり全然覚えてない。でもやっぱりクライマックスの「崖」の記憶は合ってる...。なんだったんだ?

三本目は、『Mistress』。これがなかなか面白くて。主人公のチンピラ青年(ジェラール・ドパルデュー)が、泥棒として押し入った先のアパートの部屋が実はSM小屋で、そこにいた女王様(ビュル・オジエ)に青年がなぜか見初められ、そのまま二人は同居することになるのだが...という。めちゃくちゃな設定なんだが、想像力が刺激されるとういうか。
チンコに釘を打ち立てる、乳首に針を貫通させるアイタタタなシーンなど。

不勉強ながらバーベット・シュローダー(ロメールと映画会社作ったらしい)って初めて聞いたんだけど、もっと観たいと思った。

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四本目は若き日のマルコム・マクダウェルが出てることでおなじみ『If...もしも』。

普通に厳格な学園に反抗する少年たちの青春映画かと思ってたら、ラストに衝撃。よくも悪くも「1969年」の映画だなと思った。