NY is My Name.

NY日記。未公開映画、Netflix、シナリオ...

映画祭は最高だぜ。

忘れないうちにきりゅう映画祭のことについて書いておきたい。

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このデカいスクリーンで観れたの新鮮。

まず生まれて初めて、自分の作った映画が映画祭という場で上映されたのはマジで光栄なことだった。大学入ってから映画を自分たちで作り初めて、ずっと映画祭というものに参加したいと思っていた。まじで、一つも映画祭で上映されたこともないのに「映画やってます」とか、本当に恥ずかしくて言えないと思ってたし。それなのに映画についてなんやかや言ってる自分もイヤだった。常に「じゃあお前は?って言われたら、おれなんも言えないよな。特に評価された実績もあるわけではないし」っていうのはずっと心の中にあった。

だから今回、そこそこの応募数の中から選考・選抜され、「最終審査」という形で上映されるのは「一応、お前の作ったものは他の人のより優れてたよ」っていうのを明確に示されたわけで、やっと"俎上に乗った"というか。自分が面白いと思ってきたというか、(自分の)映画はこうあるべき、と信じてきたものが他の人にもいいと思ってもらえたのは、大きなことだし、本当に嬉しい。

あと、27歳っていうタイミングも大きい。なんというか、ギリギリ"初めての映画祭"が許される年齢というかw 要は、これより遅かったら、もっと精神的に追い詰められていたかもしれない(実際、最近ちょっとクサり初めてたのも事実w)

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ほいで話は飛ぶが。

結果的に受賞はならなかったんだが、なんか褒められた記憶しかない映画祭だった。

まず上映後、授賞式までお昼休憩だったのだが、そこで出店(会場の外はお祭りみたいに出店スペースがあってかなり賑わっていた)の列に並んでいたときに声をかけてくれた人がいた。その人は観客賞の投票でも自分の作品に入れてくれたらしく、「途中で映画のジャンルが変わる」ところが面白かったと伝えてくれた。なんかもう、いままでは語学学校とか、自分の友達に見せて感想もらってただけだったので、こうやって見ず知らずの人に自分の作品を観てもらってコメントもらえるってだけで嬉しかった。ちょっと不思議な気持ちにもなった。

で、授賞式で篠原哲雄監督から講評をいただき。

特に演出面、撮影面は優れていると。NYの街の切り取り方、カメラワークを褒めてくれ、そして何より出ている人が全員"素人"ということに驚いたと。役者でない人をここまで演出できるのはすごい、今後に期待、というようなありがたい言葉を頂いた(懇親会でもっと嬉しい言葉もらったけど、ここには書かないでおくわ)。

言われて思ったんだが、そう言えばあんまり素人の映画(普段演技してない人が一応ちゃんと演技してる映画)って自主映画でも実は多い方ではないかもと。常々言っている「アテ書き最強説」が強化されたのに加え、「これくらい当たり前」と思っていたことを改めて指摘されたので、ちょっと新鮮な気持ちにもなったり。

映画祭後の懇親会で、映画祭実行委員会で上映作品の選考した方とも話できたのは大きかった。その方がいうには、「きりゅう映画祭の特色は、"映画好きじゃない"(普段映画をいっぱい観るわけではない)人がやっている映画祭」だと。これは選考委員をディスってるわけじゃなくて、つまり映画をいわゆる「映画好きとかシネフィル」のためのものにしてしまうと、日本の映画界はどんどんとウチに閉じていってしまう、という思いが背景にあるそうだ。

これには「我が意を得たり」だった。というのは、自分も映画を観るのも作るのも、言葉はアレだが「観客のことを考えないヤーツはクソ」という思いが常にあるから。"わかりやすさ"とかも含め。いくら「画がキレイ」でも面白くなければ全部無意味。

ここからなんというか、作者作品に込めるものというのは自分が思ってる以上に伝わるものなんだなぁ、と思った。単純に「やったぜ!」っていうのもある。

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だから映画祭を経験して知ったことは、「みんなちゃんと観てくれる」ということ。

("観客"というのを舐めてたのかもしれない。すいません。)

正直、自分の映画なんて理解されないと思っていた。いや、もちろん自分の中では「ここ最高」がいっぱいある作品で大好きだし、「おれはいいもん撮った」っていう自信はあったんだが(自分で自分の作ったものを好きになったのはこの短編が初めて)。一方で他人が見たときには、ラストも含めて「(どうせ)あんまり理解されないだろうなぁ」っていう自信もあったわけである...。

それが、映画祭を通したことで、自分がいいと思ってたことを、意外なほどに観てくれた人も「いい」と思ってくれて、それを伝えてくれたことに驚いた。しかもほとんど一回しか観てないにも関わらず。

なんだみんなちゃんと観てくれるんじゃん、と。

いまさらなんだけど、こんなことなら自分の前作『Lift』ももうちょっと他の映画祭にいっぱい出してみればまた何かしら違ったのになぁと後悔している。周りの反応と、学生映画祭二つ落ちて、完全に心が折れたw 主演の女の子(カンナさん)の演技とか、結構いいのよ。

『Lift』 - YouTube

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だから映画祭を経験したいまの気持ちは、言い方はアレだが「これを褒めてくれる人がちゃんといるなら、俺もっとやるわorやれるわ」という思い。まだまだこんなもんじゃないし、っていうのもあるし。

だから、自分の創作へのモチベーションという観点では、映画祭は完全なプラスになった。

というわけで、今クリエイティブ面ではかなりノッていて、もう次の新しい短編を書いていて、もうすぐ出来上がる。これは絶対いいヤツになる。11月の終わりくらいには撮れればいいんだけど。お楽しみに。また別の新しいやつ書けって言われたらすぐ書ける自信もある。向こう3年で5本くらい作れたら最高なんだが。

 

ほんと、褒められるの大事。俺は褒められて伸びるくんなのだ。

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というわけで、普通に映画祭何本も通ってる人が見たら「ププっダサっ」って笑われそうな感じのものを書いたのはわかっている。ただ、個人的には大きい出来事だったのね。許して。頑張りたい。

 

あ!12月に映画美学校映画祭で『Mutual Understanding』上映する予定なので、観たい方はぜひ来て頂ければ。東京で上映できるのもう二度とないかもしれないし...

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